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Wednesday, January 26, 2005

Snowed Under 

Snowed Underという言葉がある。直訳すると「雪に埋もれる」という意味だが、「仕事の量に圧倒される、押しつぶされる」という意味にも使われる。僕の今の状況はと言うと、文字通り雪に埋もれつつ(大雪続いてます)、仕事にも埋もれている。

そうです。忙しいんです。2年生なのに。あと半年切ってるのに。なんでこんなに提出物やグループプロジェクトがたくさんあるんだろう。Miguelも「去年の2年生に完全に騙された」って言ったっけ。ということは今年の1年生にはより正確に実情を伝える義務がある訳だ。1年生の皆さん、思ってるほど余裕できませんよ!(言い切った)

この段階に来ると、グループプロジェクトというものがかなり億劫になってくる。以前は複数の学生たちと喧々諤々議論をすることがいい経験だと思っていたのだが(ある時点までは真実)、ここからはいかにTake Awayを 多くするか、つまり単なるサバイバルを超えて、本当に学んだというポイントをどれだけ増やせるかが重要になる。グループプロジェクトは結局作業を分担して しまうのと、認識レベルのすり合わせや、締切り直前のドタバタに時間を取られてしまうため、負荷がかかる割には得るものが少ない。

宿題の量が多すぎてゆっくり考える時間が取れないこと、グループワークで
「何か貢献しなければ」と いうピアプレッシャーに負けてしまうこと。これは知られざるビジネススクールの構造的問題である。という訳で、僕はこのグループプロジェクトの有無を、最 後となる春学期の授業選択においてとても重視している(もちろん内容とのバランスを考えて)。今週は週末なしだな、こりゃ。

Thursday, January 20, 2005

Chilly… 

昨晩家に帰って気温を調べたところ摂氏マイナス21度。いよいよ来たかーという感じである。最高気温もマイナス15度だったので、昼間でも外に出るときは常に小走り。朝駐車場で会ったBonnieともキャッキャ言いながら階段を駆け上る。ここまで下がるとかなり厳しい。車の鍵がなかなか開かなかったりするとやや身の危険を感じる。あとはいつマイナス30度を更新するのかに注目(?)である。

そんな最悪のコンディションの中、Tsunami Relief Effortの事実上の初イベントとなるCandlelight Vigilが行われた。Candlelight Vigilとは、参列者が各々蝋燭に火をつけて町を練り歩き、終着点でそれを寄せ集め、黙祷を捧げるというものだそうだ。昨日はあまりにも寒かったこともあり、Tuck Circleに集まって黙祷を捧げ、Melanieの歌(Bridge Over Troubled Water)で締めるという簡単なものになった。様々なPRの甲斐もあって、この極寒の中、50名以上の学生が参加してくれた。

Saikatから「今日はこんなに寒いですが、津波の被害にあった人々のことを考えれば大したことではないでしょう」という挨拶があり、一瞬なるほどその通りだと思ったのだが、5分も経つと「やっぱ限界。早く終わって」という気になってしまった。その後、Whittemoreに場所を移して、Fireside Chatが開催された。タイのリゾートに滞在中に津波被害に合い、怪我を負いながらも危機一髪で難を逃れた同級生Jeffの体験談や、複数の教授による簡単な講話が、文字通り、暖炉の横で行われる。これにはTuck以外の方も含めて100名以上が参加して下さり、盛況のうちに幕を閉じた

「学生の関心を高める」という当初の目的は達成したので、あとは特別に設置したウェブサイトを含めて、寄付金が少しでも多く集まるように影ながらサポートしていきたい。

Thursday, January 13, 2005

Valuation 

Corporate Valuationという授業にゲストスピーカーがやって来た。日本でも定番本となっている企業価値評価(バリュエーション)の共著者Tim Kollerである(ということが教授の紹介で判明)。マッキンゼーのCorporate Finance and Strategy Groupでも16年間も勤務しており、どんな話が聞けるのか急に興味が湧いてきた。

結果から言うと、これまでのゲストスピーカーの中でもトップクラスの面白さであった。「ビジネススクールではディテールを学ぶし、確かに実践の場ではディテールが大切なのだが、私は年をとるごとにどんどんシンプルに考えるようになった。もしかしたら単に脳が劣化しただけかもしれないけどね」飾らないこのオープニングスピーチで一気に彼の世界に惹き込まれてしまった。かなりの修羅場をくぐってきた人物なのだろう。

Valuationとは文字通り価値評価であり、Valuationを行う大きな目的は、いかにして企業の価値(つまりは株価)を高めるかということにある。その観点から彼はシンプルな数式の分解を行い、重要な要素がROIC (Return on Invested Capital), g (Growth Rate), Cost of Capitalに凝縮されるという説明を分かりやすくしてくれる。

・成長率がそれなりに高く、毎年一定の資金を事業投資に割り当てられたとしても、ROICが低ければ生み出される価値はネガティブになる
・二つの企業が同じP/Eをもっていたとしても、gとROICに分解することで大きく状況が異なることが理解できる(特にgは企業買収、年金の運用益などで伸びている場合もあるので、本来の成長率に換算し直す必要がある)
・つまりROICが企業が追求すべき最も重要な数字である

こうやって書いてしまうと何だかチープだが、実例や自らの分析を交えた説明には非常に説得力があった。「ビジネススクールでは多くの込み入った数式を学ぶと思う。これは教授の前ではちょっと言いにくいが、今私が説明した以外のほとんどは単なるディテールでしかない。私の経験上これが企業評価の本質である」教授も苦笑いするしかない。

最後にアメリカのS&P 500 Indexが過去数十年に渡ってコンスタントに欧州を上回っていること(日本を含むアジアは足許にも及ばない)、その要因がアメリカ企業の利益を生み出す力にあるという点に話が及んだので、「アジアのIndex(または企業)がアメリカにキャッチアップするためにはどうすれば良いと思うか」という質問をしてみると、「例えばソニーを見てみろ。ROEが5%しかない。なぜか。プレーステーションは収益性が高いが家電製品は全く価値を生み出していない。どうしてそういうものを続けるのか。アジアでは利益という概念が重視されていないようだ。そうであるならば今後もアメリカに追いつくのは難しいだろう」とかなりドライ、かつ手厳しい答えが返って来た。

まあ結局そういうことなのだろう。ソニー勤務で欧州から交換留学で来ているS氏が授業の後で「長年に渡る顧客との関係があるからそうやって完全に割り切ることはできない」と噛み付いていたが(笑)、結局それが良いか悪いかをアメリカ人が判断することはできないはずだ。今日の一連のプレゼンテーションも(毎日の授業も)、当然「アメリカ型資本主義が正しい」という大前提の基に進められている。振り返ってみればデータや分析もそれを補完、正当化するものばかりだった。

これは彼らの土俵(例えば苦もなく人員削減ができる文化、極端な貧富の差を許容できる文化)であり、戦争戦略論的に見れば、彼らは全世界をアメリカの土俵におびき寄せようとしているのである。彼らの理論を盲目的に「正解」として各国に持ち帰っていくMBAホルダーが多いという事実を考えると、世界から有能な人材を惹きつけるアメリカの教育システムは、資本主義経済と密接に結びついて実にうまく機能していると言わざるを得ない。

そもそも僕がアメリカのビジネススクールで学ぼうと思った理由の一つが、(やや大袈裟ではあるが)純粋に数字追求型の彼らの思想にアンチテーゼを唱えるためには、彼らの手の内、マインドセットを理解する必要があるだろうというものであった。そういう意味で、今日は相反する二つの収穫、つまり企業とはValueを生み出すために存在するという明快な論理と、それ以外に大切なものがあるかもしれないという初心を思い出したという収穫があった。

やや話が逸れるが、具体的なデータを用いたプレゼンテーションの内容は言うまでもなく、フォーマット、ストーリーの展開、これは実に素晴らしかった(Tuckの教授にも是非学んでほしい)。どれだけの学生がそれに気づいたか分からないが、その点も僕にとっては非常に参考になった。

Sunday, January 09, 2005

Fraternity? 

土曜日も大雪。1時間も放っておくと、車を出すまでに10分以上雪かきをしなければならないような状態である。

今日は午前中からTsunami Reliefの打合せ。Saikat, Rish, Girish, Alexis, Carly, Jasonが参加。先日の打合せを踏まえて具体的なスケジュールやTo Doリストに落とし込んでいく。いろいろ議論した結果、ウェブサイトを火曜までに開設、キックオフのCandlelight Vigilは来週の木曜開催ということに決まった。午後は家に帰って来週の授業の予習。今学期は月と火に授業を多く取ったので読み物が膨大なのだが、昨日から時間が取れていないのでちょっと焦る。

夜はRebeccahとJerryのBirthday Partyをはしごする予定だったのだが、大雪でRebeccahの方は中止。というのも、かなり辺鄙なところにあるスケートリンク(屋内"ローラー"スケート場)を貸し切り予定だったのだが、あまりにも天候が悪く、そこまでの運転が危ないので延期というメールが届いたのだ(僕はそのメールを見る前に出てしまったので、帰ってから気がついた...)。

今日のドライブはちょっと怖かった。家を出て早々、普通に真っ直ぐ走っていたら突然車が右に二台分くらい並行にスライドした。何が起ったのか未だによく分からない。危うく民家に突っこむところだったが、路肩の雪が深すぎて車が埋まって止まった。それからは更に慎重に運転。漸くその辺鄙な場所にあるスケートリンクにたどり着くと"Closed"の表示。「おいおい、中止だったら連絡しろよなー」とがっくりしつつ、止むを得ず家へ戻る。前から吹き付ける雪と路面を気にしながら走る帰り道の遠いこと。

帰ってからRebeccahに「車でローラースケートしてきた」と半分冗談で苦情メールを送ると、「超ごめーん。今日は最後の最後まで、いや大丈夫なはず、絶対大丈夫なはずって現実を直視しなかったから連絡が遅れちゃった。だって絶対決行したかったから。とうとう彼氏に無理だって説得されて泣く泣く諦めたのよ」との返事が。まあそういうところはお茶目なので許します。

その後、家で少し予習の続きをした後、10時過ぎに再度家を出て今度はJerryの誕生会へ。これがまたかなり山奥。その頃には雪が止み、幹線は除雪されていたのでさっきよりは怖くない。Jerryとは昨日のVielcka邸のパーティで話をしていたときに「明日うちで俺の誕生会やるから来ないか」と誘われていた。Jerryが約束通り律儀にメールを転送してくれたので、少しだけでも顔を出そうと駆けつける。

このパーティ、かなり特異な経験となった。というのも総勢50名近い一大イベントだったのだが、参加者の9割がアメリカ国籍の白人だったのである。メールを転送してもらった段階である程度想定はできていたのだが、さすがにこの光景を目の当たりにすると「やっぱりこういう世界ってあるんだよね」と一歩ひいてしまう。なんと留学生(欧州、南米、アジア)は一人も見当たらない。

ということでバカ騒ぎしている輪に入っていくのは難しいのだが、それでも5, 6人と個々にじっくり話す時間がもてたので、これはこれで行って良かったと思っている。Ivy Leagueの中でもNew Hampshireというド田舎に位置するTuck (Dartmouth) は、実はこういう非常に保守的かつ排他的な面も残している学校である。Joeもあんまり好きじゃないという様子で、「このパーティはFraternityみたいな感じだよな。俺も大学時代(Stanford)は入ってたけど」と言っていた。

Fraternityとはいわゆる大学の「社交クラブ」であり、少し前までは白人の超エリート層によって排他的に構成されるのが普通だったものだ。最近ではさすがにそこまであからさまなものは少ないようだが(DartmouthにもFraternity Houseが集積している地区がある)、確かに当時はこんな様子だったんだろうと思わせるパーティであった。

Saturday, January 08, 2005

Final Year 

新年が明け、卒業までついに半年を切る。学生生活も残すところあと僅かとなり、いろいろな意味で無駄な時間は過ごせないという思いを新たにする。

学業的にはこれまで学んだことを振り返りつつ、できる限り知識の穴を埋めるような授業の選択を考えている。と同時にTuckという異空間で友人たちと過ごす時間もあと僅かであり、体力と精神力の続く限り?各種アクティビティにも顔を出したいと思っている。年明け一発目のTuck Tail(異なるスポンサーによってビールと軽食が学内のStell Hallで振舞われる簡易飲み会)では、1ヶ月振りに会う友人たちや、交換留学から戻って来た同級生たちと旧交(というほどではないが)を温める。

数日前には大雪が降った。冬の寒さが厳しいハノーバーでは除雪作業が素晴らしくシステマティックに行われるため、雪が止んだ頃には道路はすっかり問題なく走れるようになっているのだが、大雪が降っている「最中」だけはそれも追いつかない。視界も悪く、地元ドライバーたちもいつもよりもノロノロと慎重に走っている。僕も角を曲がる際に何度かハンドルを取られてヒヤリとした。


また"Tsunami Relief Effort"のプロジェクトを発足させるというメールがSaikatから届いた。Tsunamiとはもちろん年末に東南アジアで発生した「津波」被害のことである(こちらでは津波という概念がそもそもなかったのか、ニュースでも日本語の"Tsunami"という言葉が普通に使われている)。Tuckを中心とするDartmouth Communityで様々な活動を通じて寄付金を募り、現地の支援組織に貢献するというのが本プロジェクトの趣旨である。

この種の活動にはあまり参加する機会がなかったのだが、米国における草の根NPOがどのようなダイナミズムで動いているのかという興味も手伝って、思い切って手をあげてみる。多忙な学校生活にも関わらず、また「かなりの時間を費やしてもらうことになる」というSaikatの脅し?にもめげず、20名程度が志願したようで、Saikatから「とてもありがたいが効率的に仕事を進めるためにCore Teamの人数は絞らせてほしい」というメールが届く。「そりゃその通りだ。じゃあサブチームで手伝うか」と思っていたところ、なぜか1, 2年生、計9名からなるCore Teamに任命される。なぜなんだSaikat?

蓋を開けてみるとCore TeamはSaikat, Rish, Prasad, Girishのインド人学生4名と米国人4名で構成されていて、その中で一人ポツンと座る日本人の僕。何だか少し責任を感じる。まずは、"Candlelight Vigil"というイベント(蝋燭に灯を点けて学校周辺を歩く)でTuck Communityでの活動を開始、その後Film FestivalやConcertの開催、専用ブース設置による募金運動を行うこと等の大枠を決める。


第一週の週末(金)はVielcka, Melanie邸でのパーティに招待される。いつも通り、DJ Melanieによる音楽がガンガンに流れる中、次第に立錐の余地もないような人だかりとなる。仲の良いいつもの面々、廊下で声をかけ合う程度の同級生に交じって、今日は1年生もかなり参加しているようだ。ビールを片手にじっくり話したり、大笑いしたりしつつ、深夜を過ぎてもひたすら大騒ぎは続く。

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