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Wednesday, March 09, 2005

Corporate Valuation Final Project: Verizon/MCI 

Corporate Valuationの授業で潜在的なM&Aについて評価するグループアサインメントが与えられた。題材は僕が提案したVerizon/MCIのディール。最初のメンバーの反応は「通信業界はあまり分からないし、2週間でやるには大変そうだから他のテーマにしよう」「分析するだけの情報が取れないんじゃないか」という否定的なものだったのだが、「産業、競合分析は僕がまずリードして、Valuationに集中できる環境を整えるから是非このテーマでやってみよう。情報も既に複数のソースから集めているので心配ない」と説得してプロジェクト開始。結果的にはメンバー全員が納得のいく興味深いプロジェクトとなった。

基本的には三つの方法(DCF, Multiple, Transaction Multiple)を使って今回のディールについて価値を算出する。Transaction Multipleは当然直近のSBC/AT&Tを使う。MCIに対しては最初にQwestが名乗りを上げたのだが、財務状況の悪さと事業自体の先行きが懸念され、株主、アナリストの間からVerizon待望論が起っていた。そこで巨人Verizonが重い腰を上げたという印象である。扱っている題材に関して毎日新しいニュースが飛び込んでくるというのは普段のケーススタディではありえないので、日々情報を交換、アップデートしつつ、ダイナミックなグループプロジェクトになる。

折りしも
MCICOOであるJonathan CraneTuckを訪問することが分かり、夜の遅い時間帯だったのだがメンバーと一緒に参加する。メールには「JonathanはこのM&Aの忙しい合間をぬってUpper Valleyで説教(Preach)するためにやって来ます」と書いてあったので、Tuckで 講演することをもじっているものとばかり思っていたのだが、本当に教会で説教をするらしく、当日もビジネスの話もそこそこに自らの宗教観、人生観について語 り出す。しまいには「私がこれまで訪れた全ての場所、職場は神の思し召しだったと思っている。私でなければいけない理由が何かあったはずなのだ」等と話し だす始 末。おいおい、そんな話を聞きに来たんじゃないんだよ。突っこみどころ満載ながらも、こんな世界中が注目する重要なディールを直接扱っている重要人物をこ のまま帰したのではTuckの名が廃る。

「あのー、ちょっとビジネスの話題に戻っても宜しいでしょうか?M&Aの件なのですが、今私はCorporate Valuationという授業を取っていて正にこの題材を扱っています。一番難しいのはシナジー効果の測定です。今回のMCIのプレスリリースではシナジー効果が70億ドル。その大半は人員削減を中心としたコスト削減であるとのことでした。統合効果というのはやはりコストサイドが中心なのでしょうか?それとも収入側のアップサイドも織り込んでいるのでしょうか?」

MCIは 一連の不祥事の後、非常にクリーンな会社に生まれ変わっている。周囲に監視する人があまりにも多くてクリーンになりすぎているくらいだ。シナジーについ て、私は基本的にコスト削減効果だけを考えるべきだと考えている。コスト削減効果は非常に予測しやすい。一方で増収効果というのは不確定要素が強いので、 それを予め約束することにはリスクが伴う」

同じチームのS氏からは、「官僚的なVerizonとの間で文化的な軋轢が生じる可能性があるのではないか?」という質問があり、Jonathanはこれに対して「個人的にはVerizonは好きでないし(笑)、それは課題の一つである」としながら、「Verizonも我々の価値を認識しているし、MCIの文化を残しつつうまく共存していけると考えている」と優等生的な答えが返ってきた。

その他にも、「Qwestは負債比率が非常に高く、財務状況が悪すぎる。今後のビジネスについても不透明な部分が多い。したがって我々MCIとしては応札価格が多少低くてもVerizonからのオファーにより高い付加価値を見出している。株主から訴えが起きているが、こういう訴訟はいつでも起きるもので予測の範囲内である。MCIQwestと合併することはありえないだろう」というコメントがあった。ほんの少しではあるが貴重な裏話も聞くことができた。ファイナルペーパーにも盛り込めそうなので顔を出して良かったと思う。

今回のプロジェクトは、僕は初めて日本人3名と香港人1名という東アジア連合チームを組んだ(正確に言うとグループ作りに出遅れて、K氏 にお願いして入れてもらった)。「こういうのも何だかなー」とお互い冗談半分に文句を言いつつ、しかし始めてみると非常にやりやすい。全員約束した期日ま でにしっかりしたものを出す(いやそれ以上のものを作る)という勤勉な良い面が出ている。しかも強引に持論に持って行こうとする人、相手の話を聞かない人 というのがいないので、協力的な雰囲気の中で、各々が積極的に貢献しようという意欲に溢れている。時に明け方の3時、4時にメール交換をしつつ、効率的、かつ効果的にプロジェクトが進んでいく。

約束通り、最初に僕が業界分析、企業分析のペーパーを作成、メンバーに共有、そこから金融のプロであるK氏、Eddieの二人を中心にValuation作業が始まり、各バージョン毎に適宜僕とS氏が突っ込みを入れつつ、改善していくという流れになった。まずはいくつかの仮説に基づいて収入、営業コスト、設備投資額、WACC等を決め、MCIFair Valueを算出。MCIはFCFに基づくEnterprise ValueよりもDebtの額が大きいため、MCIの価値はほぼキャッシュの保有額と同じになる。

これにVerizonとの合併によるシナジー効果を加え、Verizonにとっての最高提示価格、現在のBid価格から、QwestとのBid Warにおける上値余地を算出する。またSensitivity Analysisから、コスト削減効果がほんの数%違うだけでValuationに大きな影響が出ることを確認。もしコスト削減効果がゼロだった場合、最適なBid Priceは半分になってしまう。いつもながら、意志決定フェーズにおけるこの"Sensitivity Analysis"の重要性を認識させられる。

本件はいまだQwestが諦めず、Verizonよりも高い価格を提示して食い下がりつつ、法廷闘争も辞さない構えで必死になっている。もしVerizon/MCIのディールが成立すれば、米国の通信業界は事実上複占(Duopoly)状態となり、残されたBellSouthSprintQwestの三社(特にQwest)は苦境に立たされる可能性が高い。業界再編の行方とともに、今後MCIVerizonにもたらすValueに注目していきたい。

実質2週間程度のプロジェクトであったが、ホットなテーマ、勤勉、誠実なグループメンバーに恵まれ、これまでのグループプロジェクトの中でも思い出に残るものとなった。

Friday, March 04, 2005

Heavy Snow 

2, 3日前にまた大雪が降った。久しぶりに写真でも載せてみます。さてこの物体は何でしょう?



正解:うちの愛車CRV号(鎌倉ではありません)。耳は雪をはらったのでかろうじて見えてると思います。角に見えるのは当然ワイパーですが、こちらでは大雪が降る前日はこのようにしておかないと、ワイパーが凍ってしばらく使い物にならなくなるのでこんな習慣があります。雪が降るといつもの時間に出たはずが、雪かきで5分以上ロスするので遅刻率が高くなるのが難点。

その他の写真(我が家からの風景Tuckの駐車場駐車場からの険しい階段校舎まであと一息

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